モナーさんが行く、読んでる。

完結してるのがありがたい!!!しかもめちゃくちゃ文量あって助かる~~~っ!!

モナーさんが行く、かなり好きだけど、気になるところがいくつかある。

 

・召喚モンスターの人魚にメロメロする男キャラたちに対して、女キャラたちの態度が厳しすぎる。

 

個人的な感覚だと、「女に色目を使っている男を見た別の女たちが、男たちに呆れ果てたり、怒ったりする」っていう表現は、古い感じがする。ポケモンのタケシとかね…。

(昨今の感じだと、逆張りで「“女”人魚にメロメロする“女”キャラ」とか出てきてもおかしくないと思うんだよなあ。そういう感覚もいずれ古くなっていくか。なんなら令和キッズにしたらもう古いのかもしれない…っていうか、これを古いって感じる人がほかにいるのかすらわからないわけだけど。)

古い古くない以前に、よくわかんないんだよな~、この手の…何?ギャグシーン?

おもしろいのかぁ?これさ。 お約束みたいな?あると安心する、みたいな?

おもしろくはないと思うけどなー。(それは読んでる私が女だからなのか?)

だって男が女にメロメロしてたからといって、別の女が怒る筋合いが無さすぎん??

うーん………あるいは、シスターフッドのあらわれ?

召喚モンスターの人魚たちは、おのれのマスターである男たちに逆らえないわけで、そんな人魚たちに対して、男どもがよからぬことをしそうな雰囲気がむんむんする、ので、女キャラたちは人魚たちのために憤ってる、という見方もできる。

言うなれば、怒ってる女たちは、女性の権利的なもののために連帯して戦っている…のかもしれない。

まあそれなら怒る…かもな…「女を自分の欲望のままに好き勝手するのは違うんじゃないですかねえ!!?」っていう抗議のためなら。んんー--。でもちょっとサモナーさんが行くの場合は違う感じもする。男キャラ達が人魚の胸(立派)と女キャラの胸を見比べてがっかり、それに気づいた女キャラが激怒、「今、見比べたわよね?!怒」ってなる、みたいなシーンあったし。これだともう、ねえ、女を性的にまなざす男たちに対して連帯して抗議する女、っていうキャラ付けはかなり厳しい。

まあ、そりゃね、美人に骨抜きになってる男を見て、悪感情を抱くの、私はわかるけど、それを怒りとして噴出するのって、変だよなぁっていうか、それは無くない?って感じ。怒らなくない? もっとねえ、「うわっ、キモ……」とか「男って美人ならなんでもいいんだ……ドン引き……」みたいな、もっとこう、じっとりとした「嫌悪」だと思うんだよね、実際は。 そんなプンスカおこったりはしないと思う。それって願望だったりしない?男の方の。男が、女に、「女にはプンプン怒ってほしいな~」って思ってるんじゃない?「キモ。マジ引く。近寄らないで、マジで」みたいな拒絶よりかは、「ちょっとー!信じられないんだけどー!」ってな感じでプンプン怒ってくれたほうが100万倍マシだし、なんなら怒るっていうのは、相手に対してちょっと好意があるからっていう可能性すら、あるっていうか。女が怒る理由の描写なんて、フェミニストシスターフッドなんていう考えよりはずっと、「憎からず思ってる男がほかの女に色目を使ったことに対する『嫉妬』」のほうがありうるもん…。

うーん、でも、うーん、人魚の方が美人かつグラマラスであることに女キャラたちが嫉妬する、っていうのは、そりゃ、ゲームなんだから、人魚が美人なのは当然だし、女キャラたちがクーッ、人魚美人すぎてそりゃ反則だろ~!状態になるのは分かるっていうか、そういうことは当然あるだろうと思うけど……んーでもそれを描写するなら、対抗するような描写として、女キャラたちがイケメンのヴァンパイア(召喚モンスター)にハァハァする描写があってもいいし、それか、男キャラたちが人魚にハァハァしてるとしても、その中でもある一人の女キャラこそがいちばん人魚に対してのまなざしがねちこくて危険そうで、みたいな描写があってもいい、つまり、「男が女を色目で見る、するとそれを見た別の女が怒る」っていう図式を中和するような描写があってくれれば、私は、納得する……のか???????? もし、男が人魚にハアハアする描写もあって、さらに、女もヴァンパイアにハアハアする描写があったら、「しつけえな!?」ってなる気もするし……。いやね、そんな、そもそも私に「配慮して書け」だとか言える筋合いがないことは承知してるんだけど……本当に…読めるだけで感謝ですよ…ありがたいです…これは本当に。

→読み進めたら、300~400話のどこかに、主人公の配下の人魚に興味津々の女性プレイヤーが出てきた!

→後になって気づいたけど、ヒョードル君を拉致してはべったり張り付くお姉さま方が、人魚を見てはセクハラ発言をはかます男たちと対比として描かれてるっぽい。ヒョードル君がすぐに拉致られちゃって、実際の被害の様子が見えてない、かつ掲示板ではその被害の様子が見えないから、ちょっと描写が薄い感じするけど。まあ。やっぱ、しつけえな!人魚関係の描写。掲示板回のサモナースレに登場する回数が多すぎる。人魚といったらもう、それしかないって感じ。しつけえ~!!

 

・女言葉が気になる

女キャラが女言葉「~だわね」「~よね」などを使ってるのが気になる。

小説だと誰がしゃべってんのか分かりづらいから、女っぽい語尾がついてるとしゃべってるキャラの識別が用意、っていう理由もあると思う。けど、女言葉を使う女プレイヤーが複数出てくる、っていうのは、個人的にかなりの違和感がある…。ロールプレイでわざと女言葉を使ってるっていう設定なら、納得する。あと、NPCだったら、女言葉なのは一向にかまわないっていうか、もうじゃんじゃん女言葉にしたらいいと思う。が、しかし、プレイヤーが自然と女言葉なのは……だって…女言葉で喋ってる女性って…いない…じゃん? 小説が書かれた当時はいたのかなあ……… すくなくともVRゲームに時間つぎ込んでるような年齢層の女性が女言葉ってのは…… 

まあVRゲームがあるってことは近未来の設定だし、女言葉が復権したのかもしれない。ものすごい勢いで。

あるいはもう小説ってことで割り切ってて、女のしゃべり方にリアリティを求める意義を全く見出していないのかもしれない。伝わりやすさ優先的な。

 

・主人公の召喚獣の名前がむずかしい

これは分かる人には分かる系のやつだと思うし、この感じが、主人公の雰囲気を、ひいては小説の雰囲気を作ってるんだと思う……が、むずかしい。全部がわからないわけじゃないし、フローリンとかかなり可愛いと思う。フローリンは親切にも名づけの理由が文中に書いてあったので理解できた。わからない名前が出るたびに検索して調べてる。勉強になる…ぐぎぎ……

→今386話を読んでるんだけど、最近の召喚モンスター数体は全部、簡単な命名理由が添えてあってめちゃくちゃいい!! いちいち調べる手間が省けてありがたい。面倒なら調べなきゃいいだけだけど、やっぱり気になるしねえ。ありがたすぎる。

あとこれに加えてイリーナの召喚獣の名前も難しい、イリーナって何者なんだ?主人公はなんか実生活からして一般人ではない感じだし名づけのセンスが尖がっててもおかしくないけど、イリーナもただものじゃないな??

 

 

・プレイヤーたちみんな夜更かし杉

主人公が圧倒的異常連続ログインしてるのは、まあそういう設定だからいいとして、ほかのプレイヤーたちが夜更かししすぎというか、リアルの予定は大丈夫なのか皆。まあ主人公が廃人プレイヤーだから、それと関わるのは類友の法則で同じような廃人プレイヤーばっかりだからなのかもしれないけど…特に分からないのがアデルとイリーナ。若そうな女なのに普通に完徹してて疲れた様子も見せないのが凄まじすぎる。あ、もしかしてこの作品のVRマシンは、使用時の脳がほぼ寝てるときと同じ状態だから、ゲーム時間が睡眠時間にほぼ代替できるって設定とかなのかな?もしそうだったらプレイヤーのログイン時間を安定的に確保できそうだし、ゲーム開発側的もウハウハだろうな~。でももしそういう設定なら、主人公はもはや、ログアウトしないでずっとゲームに居続ける気がする。まあ現実の主人公がどういう状態なのか知らないけど…。

→385話で、ユニオンを組んだ生産職のプレイヤーたちが各々の事情でログアウトしてる描写があったり、主人公本人が「多くのプレイヤーはオレみたいに長時間ログインはしていない」って言及してたりして、よかった。言及さえしてもらえればね、プレイヤーの皆さんがいくら夜更かしてたっていいわけですわ、私は。言及があることによって、「それ(みんなが真夜中にログインしてる)っておかしくない?!!」っていう私の疑問に対して、「はい、そうですね。おかしいです。でも、皆、そうしてるみたいですね」って言ってもらえた感じがする。そしたらもうね。「はあ。そうですか。皆さん睡眠をゲームに捧げてる廃人プレイヤーなんですねえ」って納得するもん。OKOK。

→400話~の段階で、掲示板回で「このゲームはリハビリに向いてる」ってはっきり書かれる回が二回くらいあった。つまり、廃人ログインしてる人たちはみんなリハビリ患者あるいはそれに準ずる者であるという説、ありうる!!いや~、なるほど!たしかに。それは全然考えてなかったな。常々、「VRゲームが実現したら寝たきりのお年寄りとかに良さそうだよなあ」と思ってたのに、『サモナーさんが行く』に関してはその可能性を全然考えてなかった!盲点~。主人公がそうかもしれないっていうのはずっと前から思ってたけど。ああ、廃人ログインしてる人だけじゃなくて、かなりの数のリハビリ患者がプレイヤーとしてログインしてる可能性、あるなあ。アデルとイリーナが深夜にぶっ続けでログインしてるのはおかしい!って思ってたけど、彼女らだってそうなのかも。深夜に当然のようにログインしてる生産職たちもそうである可能性は高い。プレイヤー人口的に運営の採算が取れないはず、っていう作中での指摘にてついても、「医療用として実績が積めれば(あるいは、既に積んでいるので)政府や資産家の資金援助を恃めるから」っていう説がありうる。んー、合ってるかどうかは分からないけど個人的にはかなり納得したわ。

 

・主人公がPKを拷問するところがグロくて嫌

指先潰していくとか普通にグロすぎてやめて~!!って感じだし、PKを拷問する意図が不明すぎる。「PKって楽しいの?」ってさぁ。それ聞くためだけに人の指つぶすかぁ? それ、拷問したいだけじゃね?感。主人公の異常性を表現したかったのかなぁ。そういう意図なら効果はてきめん、主人公の異常性、めちゃくちゃ感じました。PKを拷問するプレイヤーとか普通にPKプレイヤーより邪悪よな。いやしかしほんと、尋問内容が「PKって楽しいの?」なの、意味不明だわ。聞かれたPKも言ってたと思うけど、楽しいからやってるに決まってるじゃん…。楽しくなかったらやらないよねえ、ゲームなんだし。PKに狙われるのが面倒で牽制のために拷問してる、とかなら納得できるけど、主人公はその点、PKを返り討ちにするのも経験値の足しになるし、まあいいかも、とか思ってそうだもんな。

→読み進めたら、380話~400話くらいにある尋問シーンは痛い系じゃなくなってたし、尋問する目的にしても、相手の持っている情報を得たいから、っていう納得のいく理由があったから、かなりよかった。納得の尋問だ。

 

掲示板回の魔法技能解析スレの流れが毎回毎回同じ

魔法技能解析をある一人のプレイヤーに押し付けて、そのプレイやーがテンパるのを皆で笑うみたいな流れ、繰り返しすぎ~。毎回毎回毎回毎回同じ。たぶん、押し付けられてるプレイヤー自身も解析とかが好きだから、押し付けてる体でその実皆応援してるんだ、みたいな話なのかな―と思わなくもないが。いじめじゃんねえ、構図が。そりゃさ、掲示板でそういう悪ノリが流行るのはたしかにあるけど、それを小説で何度も見せられたいかっていうと、もう全然見たくない。そういう描写が一回だったら、ああ~、大変そう!でも描写がリアルでいいな~とか思うかもしれないけど、何回も何回も見せられたら、何?ってなる。不愉快なシーンをあえて繰り返し示すことで「いじめの傍観者もまたいじめの参加者だよ。だからいじめが終わらないんだね」ってメッセージを暗に伝えてるのか??(なわけない)。

 

・ゲームの運営が、プレイヤーの問い合わせにはめちゃくちゃ塩対応なくせに、プレイヤーの職業とかレベルの情報の統計だけはこまめに公表してるのが謎

MMOってほとんどやったことがないから知らないけど、プレイヤーの職業とかレベルとかの統計って、ふつうは公式に公表されるものなんですか? 公表すると運営側に何かいいことがあるんです? 目的は何? プレイヤーの問い合わせに対しては「大変申し訳ございませんが、現時点で運営側より開示する情報はございません」の超慇懃無礼一辺倒なくせに、統計はこまめに公表するのって、なんか変じゃない??情報開示したいの?したくないの?どっちなの?って感じ。プレイヤーに関する統計を公表することでプレイヤーに刺激を与えて、ゲームへのモチベーションを刺激したいのかなって思うけど、それならプレイヤーの問い合わせが超塩対応なのはちょっと謎。「統計は見せてやってんだから、それ以上はなんも教えねーよ?」ってこと??統計の公表はそれ以上の情報開示を防ぐための砦なのか?? とにかく、統計の公表ってのは自分になじみのない風習なので、違和感というか、ナンデ??感がすごいのでした。

 

モナーさんが行く!で好きなところ

めちゃくちゃ没頭して読めるところ

たまに出る 「素敵だ」って表現 よい

魔物からアイテムが剥げると読んでるこっちもうれしくなるところ