2023年12月26日火曜日の日記

なろうで「手札が多めのビクトリア〜元工作員は人生をやり直し中〜」(守雨、2021)を読みました。(ここから「手札が多めのビクトリア」のネタバレもちょっとしてます→)主人公が捨て子を保護していて良かったです。工作員が主人公の作品は読んだことがないので新鮮で良かったです。劇で言語を教えるというのがなるほど感があってすごく良かったです。ひとつ気になったのは、逃亡を嗅ぎつけられた主人公がお世話になった貴族の家から黙って逃げ出して、お世話になった貴族を危険にさらしたことです。なんやかんやあって国が主人公を張っていたから貴族は無事で済んだけど、それがなかったら貴族は殺されてたかもしれないのに……と思ったけど貴族だから殺しちゃうと厄介だから工作員も普通は殺さないのか!でも使用人は詰問の末に殺されたかも?でも主人公はあんなに頭が回って行動力があって情もあるので……ウーン、団長がなんとかしてくれるっていう信頼があったってことかねえ……。でもそうだよねえ。そうじゃなきゃおかしいもんねえ。

フリーゲームの「フランスはパリから食え!」(amylum18、2019)を初プレイしました。とりあえず全国制覇して満足しました。ストーリーみたいなのは無さそうです(たぶん)。いろんな兵科を楽しむ感じでした。船って全然使い勝手よくないのに、強さが過剰評価されてるんじゃないかと思いました。銃が強い!レベルの高い銃士だけで勝てるかもしれないです。動作が重めでロード時間がかなり長いので「小国の侯爵令嬢は敵国にて覚醒する」(守雨、2021)を読みながらプレイしたらちょうどよかったです。(ここから「小国の侯爵令嬢は敵国にて覚醒する」のネタバレもちょっとしてます→)おもしろかったです。主人公が瓶詰作って貴族相手に高値で売りさばいて荒稼ぎする展開があるんですが、最近読んだ「滅亡国家のやり直し!」でも瓶詰を作って兵站を超改善して無双してたので、瓶詰ってチートになるんだなと思いました。やっぱり食糧の保管って難題だもんな。主人公が敵国に侍女と二人きりで放り出されたときには「これからどんな辛酸を舐めるんだろう」とわくわくしたのですが、意外と大した困難もなく主人公がスラスラ~っと成り上がっていってしまった印象だったので、拍子抜けしました。最近のなろう小説ではあらゆる苦境の中で令嬢(悪役令嬢の場合もある)が成り上がってるから、もはや令嬢が成り上がるのは当然っちゃ当然のことで、どのようにして成り上がるかがそれぞれの小説の肝になってくると思うのです。その点このお話は成り上がりがスムーズすぎて、まあストレスのない展開だという点ではそれはそれでよいのですが、私には少し物足りないなと思いました。あとこれはネタバレなんですけどあの、主人公、絶対この人と結ばれるよな~、結ばれないとしたら逆に新鮮って感じのあの人と主人公がマジでサクッッッと結ばれてて、いや既定路線ではあったけどそれにしてもサクッと結ばれるなあ、と思いました。「主人公が賠償金替わりのいけにえ」ではなくてただの「部下」でないと賠償金請求を口実に王家転覆できないからそれが片付くまではお互い我慢してて、そこのジレジレ感を楽しむ感じなのかな?あんまり恋愛描写部分の旨味がわからなかったです。当て馬とかもいなかったしなあ。元婚約者が出てきたときは当て馬かあ?!とワクワクしましたがご家庭を大事になさっていらっしゃる方だと早々にわかり……。商売の成り上がりにおいても恋愛においても波乱万丈があんまりない、というか最初にだけ波乱万丈を全部詰め込んであとは順風満帆、起承転結の転がないかんじがしました。でも、ちょっと物足りなかったけど、面白かったです。主人公が子ども食堂みたいなことをしてたり、戦争未亡人に仕事を斡旋して生活保障を試みていたりするところが好きだなと思いました。そういう、なろう小説の主人公が施す福祉の描写、大好きです。孤児は保護してなんぼのなろう小説だ。あと、仕事を斡旋してもらった戦争未亡人が、亡き夫に話しかけて鼻がツンとしちゃうシーンが最高に良かったです(22 ダビドとカミラの母イザベル)。あと、ご飯の描写がすごくよくておなかが空きました。しょっぱいものが猛烈に食べたくなりました。

きのうはコロナワクチンを打って腕と頭が痛かったので、痛いよ~痛いよ~と嘆いて夫の関心を買うことに腐心していました。痛みの前には無力です。今日は12時間以上寝てまあまあ元気になったので上述のとおり小説を読んだりゲームをしたりして過ごしました。

ちょっと最近いいなと思った考えについて。地元の図書館が電子図書館サービスKinoDenに参加したので見てみたら、幸福三説 - Wikipediaという説に関する書籍があって、その中の「分福」という考え方がちょっといいなと思ったのです。といってもちょっぴり読みかじったっきりたし、提唱者の幸田露伴の本当のお考えは全然分からないのですが、「与えられた福を使い切らなくてもいい」みたいな考え方だと私は捉えまして、それって、もしかして「人生精一杯生き切らなくていい」ってことじゃない?と思ったらちょっと楽になったのです。それはさすがに拡大解釈かもしれないけど私が楽になれればいいのさ……。